時代を超えて情報を伝えるのは難しい

先ほどYahooで見つけたスペイン風邪に関する記事を読んだ所感です。その記事によるとスペイン風邪は1918年から1920年頃に流行し、当時の日本国民の約0.8%にあたる45万人が死亡したということです。

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日本はパンデミックをいかに乗り越えたか~100年前のパンデミック・スペイン風邪の教訓(古谷経衡) – Y!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20200228-00165191/

ここで私が感じたことは、歴史は繰り返すということもそうですが、その歴史を後世に伝えることはかくも難しいのだということです。

もちろん専門家や医療の研究者はこのスペイン風邪を把握しているだろうし、その知見が活用されているのだとは思いますが、我々一般人や地方のレベルで100年前のスペイン風邪と状況が似ているよ、当時は3年くらい収束までかかったよ、と言ってくれる人は誰もいませんでした。仮に長寿健康で100歳の方がいたとしても、現在第一線で活躍している年代ではないので、仮に覚えていたとしてもその方々の発言が政治家や民間レベルで出てくることは無いのだと思います。そもそもその方々が生まれた年の出来事なので、記憶にあるかどうか、説明できるかどうかも期待は薄いかと思います。私は1988年生まれですが、私が生まれた年の出来事、例えば青函トンネルの開通のニュースや当時の雰囲気を覚えているかといわれると何も覚えていないのが正直なところです。

そのように考えると、たった100年前の出来事だとしてもその教訓が生かされているとは言えないのです。現在第一線で働く10代~70代では、せいぜい30,40年前くらいまでの出来事を話すので精一杯なのだと思います。70代にしても20代くらいのことを話す人はよく見るので、50年くらいで限界と思います。温泉の話を聞く際も、昭和の後半に温泉開発が進んだり、その頃から湯治が少なくなった話はよく聞きますが、それ以前となると話し手も父から聞いた話だと~とか、伝聞がかなり増えてしまうわけです。つまり現在を生きている世代に広く話を聞いたとしても、聞くことができるのはせいぜい50年くらいなのではないでしょうか。

また、インターネットは現在最も有力な情報源のひとつではありますが、日本においてインターネットが普及し始めたのは1995年頃からで、1996年にYahoo!JAPANがサービス開始、ブログブームが2000年頃から、と考えると、インターネット上では古くても20年くらい前の情報となります。もちろん昔のことをインターネットで公開している場合はたくさんありますが、それでも大半はその「現在」「現時点」の情報を掲載することになろうかと思います。

そうすると、50年以上前の出来事や逸話を知るためには、人から聞く以外の手段、本か新聞ということになります。本を出したり、論文にしたり、新聞や雑誌に取材されるということは、インターネットの世界に頼らず、かつ100年後もその情報が目に触れる可能性があるという意味で、価値があることだと思います。そのように考えると歴史や文化を後世に伝えるということの難しさ、危うさ、儚さを感じます。

現在の新型コロナウイルスの流行は大変な事態であることはもちろん間違いないですが、たった100年前にはスペイン風邪という驚異的な感染症が流行し、それは3年ほどで乗り越えて現在に至るということを踏まえると、もう少し道のりは長いかもしれないが乗り越えることはできる、という気持ちになってきた、という独り言です。それではまた。

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